不動産業者の資産査定の公式


不動産売買の売り出し価格は、大体どの業者が見積もっても、ほぼベースは大きく変わりません。計算の仕方は何通りもありますが、一番簡単なものを挙げてみました。



戸建や一棟物の査定の方法


不動産会社が見る資産価値のベースはほぼ共通です。居住物件、投資物件に限らず土地が付いたものは、まずはその建物が面する道路の路線価から割り出したものが基本になります。たとえば路線価45万円の道路に接道した100㎡の土地は、45x100=4,500万円ということになります。それに上物(建物)の価格が加わります。建物の資産価格は、年度ごとに、たとえば木造、鉄筋コンクリートなど素材の平米ごとの価格が決められています。また建物はその構造で建物の法定耐用年数が決まっています。

たとえば2004年築の延床100㎡の鉄筋コンクリートの建物の現在資産価値は下記のように求めます。2004年の鉄筋コンクリートの平米の建築費は176,100円なので、100㎡では17,610,000円。鉄筋コンクリートの法定耐久年数は47年、居住用はもうすでに築10年経過していますので、残りは37年。したがって先ほどの建物の価格に37をかけ、47で割る必要があります。そこで13,863,191円という数字が建物価値として計算されます。したがって、土地+建物は58,863,191円という計算になります。

しかし、実際の市場価格はこれより高いのが通常です。一般的には、0.7で割り戻し市場価格として出すのが不動産会社の多くがとっている算定方法です。したがって84,090,272円が一つの基準となるのです。



それでは、マンションの価格はどのように考えるべきか?


戸建や一棟物に比べ、理論的にマンションの資産評価をするのは難しいといわれております。戸建であれば、建物は償却されても土地が残ります。資産価値のよりどころは最終的に土地となります。ところが、都心の高層マンションですと、限られた土地に何百戸という家が密集していますので、一戸一戸が持つ土地の持ち分は限りなくゼロになります。だとすると、たとえば、戸建と同じように、建造物の材料から、築年で資産価格を求めると、全く価格がかみ合わなくなります。たとえば、100平米の鉄筋コンクリートのマンションは、築10年だと先ほどの計算では約1386万円となります。たとえそこが六本木でも、広尾でも、土地の持ち分が小さければ、いくら路線価が高くても、何億となるケースは多くはありません。この場合、都市に多く見られる、10年たっても新築時から価格が落ちないマンションはどのように説明すべきなのでしょうか? いわゆる希少性、ネームバリュー、需給要因等に説明を求めるしかなくなります。


現状、不動産会社で、中古マンション価格を決める際に参考にされているのは、最近の成約事例です。同じマンションがない場合は、付近の同じグレードで、築年の同じマンションの成約事例価格が引き合いに出されます。



投資物件の価格は?


投資物件に関しては、収益性(収益還元法) を重視すべきか、資産性 を取るべきか、議論が分かれるところです。収益還元法の考え方は、シンプルです。基本的に、隣接した土地にある同じような築年で、構造の物件の、平均的な利回りが基準になります。たとえば青山に、築十年で、表参道5分のところに鉄筋コンクリートの建物があるとします。その周りで、接道状況その他、諸々の条件を同じにする物件が、収益率5%で取引されているとしますと、その5%が基準になります。たとえば年間賃料が1,800万円上がる物件であればその価値は収益還元法では、1,800万円÷0.05=36,000万円という計算になります。

この査定方法は特に都心部の繁華街で、土地が小さないわゆる”のっぽビル”の査定などに活用されます。建物は劣化しますが、土地は劣化しません。そのため、土地の資産価値に重点を置く風潮がありますが、投資物件はいくら実際に収益を稼ぐかが一番のポイントです。今ある建物が、キャッシュフローをしっかり生み出しているのであれば、たとえ土地が小さくても建物が古くてもその建物は特別な価値を持ちます。売却しないでも、保有しているだけで、そのキャッシュフローの累積するからです。

そのようなところは、主に路線価等を中心にその物件がミスバリューされているから起こる現象だと考えられます。現在のキャッシュフローは実質的に資産価値と同視されるべきですし、将来的にそのミスバリューが解消されれば、その物件の資産価値は上がる可能性が高いでしょう。

以上、不動産業者の基本的な考え方を示してまいりました。
当社で取り上げていないものでも、気になる物件があれば是非お問合せください。